購買関連本を読むバイヤー 〜はじめて読む知識 調達・モノを買う仕事



 この本、実はなかなか買えなかった。友人へ贈ろうと発売とほぼ同時にアマゾンで購入したが、やっと昨日配送の連絡があった。それくらいに、この本が売れて、調達・購買が広く一般に認知されれば良いなぁ〜と思う。

 私がバイヤーとして、資材調達の仕事に就いたのが、今から十数年前。資材への異動が決定して「一体資材の仕事って何なのだろうか?」と、都内の大きな書店へ行って、何か道しるべとなるような文献を探した。でも、なかなか見つからずに、やっとたどり着いたがあった。しかし多くの資材調達関連本と同じく、資材調達のいろいろな業務からあるポイントを捕まえて、その一つ一つにコメントを加えるという内容。個々の業務に関しては、ふむふむ、なるほど!となるが、実務で役立ったかといえば、ゼロではないけど、とっても悩ましい。

 例えば「価格交渉」「コスト削減」についてのこの本の記述。私が何の道しるべも無く資材業務を始めた頃だったら、どれほどに参考になったろうという話が満載。本文中には「バイヤーが初心に戻れる本」なんて書いてある。でも、今の大多数のバイヤーは、まっとうな教育も文献も無く、見よう見まねで現在のバイヤーとしての姿を形つくっている。ってことは、初心者はもちろんの事、ベテランバイヤーだって、この本から学ぶべき事は多いはず。バイヤーとして10年以上の経験を持つこの私も、普段なんとなく経験をベースにやってきたことが、本を読むことで整斉と追体験できる。その上で新たな考え方、例えば「交渉は必要ない」なんて事が書かれている。資材調達を仕事にしていれば、一気に読んでしまうのではないか?そう思っている。

 売る人(営業)がいるってことは、同じくらい買う人がいる。何かと営業ばかりが注目されたり、トップセールスなんて言葉は目にするが、同じくらいバイヤーだって、考えて悩み抜いて、試行錯誤を繰り返している。そんな姿を、この本から感じて貰えたらいいな、と思う。